国際即戦力育成インターンシップ  @アジア

経済産業省委託「国際即戦力育成インターンシップ事業」に参加するメンバーが、アジアの生の情報をお届けします!

なぜ、掃除をしないのか?(インド・チェンナイより)

 

 インドのチェンナイ(南インド)にある、実験機器メーカー Scigenics Biotech Pvt. Ltd.でインターンをしております、今西です。

 

 インドに来て早くも4週が経ちました。

 

 最初の頃は、月に1度でいいから日本食を食べたいと思っていましたが、今では毎日、恋しい思いをしております。無駄にお味噌汁の香りをイメージしながらカレーを食べてみたり。。

 

 日本人駐在員の方もおっしゃっていましたが、インド料理では、疲れが取れません。これはホントです笑。インドに来られる方は、お味噌汁とお米と梅干しを持って行きましょう。 

 

 ちなみにナンは、北インドの料理です。南インドでは、細長くてパサパサのライスと酸っぱいor辛いカレーが中心です。

 

 さて、今回ブログを書くにあたって、

 

 同じ会社で働くNiranjan(通称:ニンジャ忍者)に、

 「今インドで一番大きな社会問題は何ですか?」と質問してみました。

 すると、

 「それはね、賄賂、汚職だよ!土地を買うにしても書類の申請一つにしてもお金(賄賂)を渡さないといけない・・・」と、1時間近く語って頂きました。

 

 まぁそんなことはどうでも良いとして、今回は興味のあったカースト制度の中でも職業カーストについて書きたいと思います。

 

 インドと言えば、カースト制度をイメージされる方も多いのではないでしょうか?

 カースト制度は、ヒンドゥー教に基づく身分制度のことであり、上位から

 

 バラモン(司祭)

 クシャトリア(王候、戦士)

 バイシャ(商人)

 シュードラ(奴隷民)

 

 そしてその下にアウトカースト、または不可触民(アンタッチャブル)と呼ばれる、差別を受ける最下層の人々がいます。

 

 彼らは、カースト制度にすら属していないという扱いで、特に女性は、高位者による暴行やレイプの対象として非人間的な扱いを受けてきました。

 

 1950年のインド憲法で、不可触民に対する差別は禁止されています。現在では公民権が守られ、学校の入学金免除や奨学金制度も受けられるようになっていますが、その差別は社会に深く根付いています。

 

なぜ、掃除をしないのか?

 

 インドでは、カースト制度が社会に組み込まれており、職業カーストというものが存在します。

 掃除婦は一生掃除を生業とし、それは親から子へと受け継がれます。私のインターン先の会社でも、雑用係の人は一生雑用しかしません。働く社員と雑用をする人の間には、明確なラインが存在します。

 

 忍者に、どうして社員の方は掃除をしないのか尋ねると、

 

 「とてつもなく人口が多いインドにおいて、それぞれが生きる為、お金を稼ぐ為に、働くことはとても重要なんだ。私たちは、彼らに仕事を与えているんだよ」

 

 「自分たちは、その仕事をする立場ではないのだと」

 

 一方、雑用をする人も出世欲は無く、ただただ毎日自分の仕事を全うしています。彼らは、基本的に学校を出ておらず、肉体労働を通して稼ぐしかないのだそう。

 

 雑貨ショップでも、お金を管理する人と、レジで商品をピッとする人は完全に分業で、ピッとする人はお金を受け取ってくれません。

 

 「ピッっとしたなら、その流れでお金を受けとれるやん、レジ一人で賄えるやん、いや、その前に何で分業にしたの?」 

 多くの外国人客の方はそう思うと思いますが、彼らにしてみれば、それは当たり前のことなのです。

 

 結局は、教育なんだよなー。

 

 普段、意識していない彼らにとって当たり前のことが、当たり前じゃないと気付くことは(少なくとも疑問に思うことは)、やはり教育の浸透が必要不可欠で、特に都心部から離れた地域で、濃ゆくカースト制度が残っているのは、教育問題と密接に関わっていると改めて思いました。

 

 すみません、文字ばかりで見にくいので、また次回に書きたいと思います。

南インドのチェンナイは、多様な民族、宗教が集まる土地柄もあり、本当に気さくで温かく親切な方が多いです。多様な価値観を受け入れる土壌があります。みなさんもぜひ、一度遊びに来て下さい。